【総評】
シナリオのクオリティは高いだけに販売方法に不満が残る。
キャラクターもそれぞれ個性が出ていたのでよかったと思う。
ただ、内容は読んでいて楽しめるものだったので個人的評価は高め。
ただし他人に勧められるかといわれると販売方法から言って微妙な感じになってしまった。
体験版であれだけプッシュしたため、申し訳なく思います。
点数はシナリオ30点、立ち絵・CG・背景等グラフィック20点、音楽20点、システム20点、キャラクター10点
計100点満点で計算します。
また、それとは別におすすめ度を100点満点で算出しています。
ではそれぞれの内容に入っていきましょう。
以下ネタバレがあります。
【シナリオ】
注)今回のゲーム内容のみ評価対象としています。分割分は評価対象に入れておりません。
読みやすさがあり、最後まですらすら行けるシナリオ。
伏線が小出しになっているので、先へ先へと読み進めてしまう。
全体としてよく練られていたと思う
設定も十分生かせており、作品としてはとしては十分だった。
BADに近い設定にしなければならないのはわかるが、それでもハッピーエンドではないことを評価したい。
ゲームとして、強引にハッピーエンドに持っていくものが多い中、そうしなかったのは
現実的であり、かつ納得できるものだった。
伏線の活かし方として、ミスリードを誘ったり、最後の最後に爆発させるのもきれいだった。
こちらにも無理はなく、しっかりした作りだった。
シナリオ中にルート以外のヒロインのHシーンは正直いらないのではないかと思う。
分割だから仕方がないのかもしれないが、おまけで回収のほうが個人的にはよかったと思う。
28/30点
【グラフィック】
原画が4人と比較的多くいるため絵に統一感を持たせるのに苦労していた印象がある。
各種族ごとに原画を分けているとはいえ、もう少し統一感があってもいいのではないか。
また、一部立ち絵、CGともに崩れが見られるなどの課題が見られた。
背景は安定していて、数もそれなりにあったと思う。
CG数は90枚ほどで、差分を含めると少々少ないかなという印象を受ける。
シナリオ上の理由でルート以外のヒロインのCGが多いという言う印象を受けた。
11/20点
【音楽】
きれいな音楽が多い。
ボーカル曲はOP、EDの2曲。ともに個人的には好きな曲。
物語の雰囲気にもあっており、合格点だろう。
BGMのほうもシリアス時に入るBGMなど良曲が多い。
ただ、クリア後おまけ等で音楽が聞けないというのはいかがなものかと思う。
ただ忘れただけなのかわからないが、これはあまりいただけない。
パッチも出る様子がないので、このままなのだろうが、減点要因としている。
15/20点
【システム】
高解像度でゲームができるのは非常にいいことである。
このゲームは画面を大きめに設定してあり、非常にありがたかった。
ただ、プレイ中、非オート時に右にカーソルがよるとシステム選択画面が出てしまうのはうっとおしいと感じてしまった。
これは、選択画面を大きくしようという配慮なのだろうが、個人的には小さくていいのでどこかゲーム中目立たないところに配置してほしい。
パッチを当てればシステム的に問題になるところはなく、個人の好みの問題の範囲ではあると思う。
17/20点
【キャラクター】
それぞれが個々の持ち味を十分出していたと思う。
オペラさん、ヴェル、ノート、ウルルなど、登場人物が多い割にそれに埋もれることがなかった。
キャラ同士のやり取りもギャグからシリアスまで、各々がその性格に合ったように会話していたので
違和感は特に感じなかった(シナリオ分野に書くべきかもしれないが)。
ヴェルが優遇されているが、最終的にヒロインは誰になるのだろうか・・・。
個人的にはヴェルが好きなので、ヴェルにしてほしいが・・・。
9/10点
計80/100点
【おすすめ度】
前述のとおり作品としてのクオリティは非常に高い作品。
ただ、販売前の告知の印象から、
「TinyDungeon」という物語が完結するものと思っていたユーザーを裏切るものであるだろう。
また、結局分割での販売である点、市場への流通状況などから、
あまり他人に進めるべきではないという商品である。
体験版をプレイし、ヴェルが好きであれば購入しても損はしないだろう。
最終的に物語が完結して、ようやく他人に進められるであろう、と思う。
この点から、おすすめ度は体験版の時よりも大幅に下げさせていただいた。
50/100点
【総合評価】
130/200点
他人にお勧めできない分、総合評価が低い値になってしまった。
きちんと最後まで作っていればとても高い値になっていたと予想できることから残念でならない。
この冬に新作が出るとのことだが、
まだ完結しそうな感じはしないのでしばらくはこの評価は変わらないだろう。
良作であるからこそ、早く出してほしいというのがユーザーの意向である。
一刻も早い完結が望まれる作品の一つであることは間違いない。
レビュー終了
それではまた・・・・・・・・。