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物語
―――主人公、鹿野上悠馬は魔法使い。
≪自らの生きた時間(思い出)を代償に、他社のいかなる負傷も治療してしまえる力≫を持っている。
舞台は最果ての港町、凬津ヶ浜に建つ不思議な学生寮、嵐山荘。
その地下室はつながりを持っていた。
色鮮やかな異セカイとの繋がりを―――
少年はそんなささやかな不思議に包まれながらも、当たり前の日々をまるで夢を見るかのように緩やかに過ごしていた。
”不思議な力を与えてくれる魔法使いの少女、、彼女と共に夢の在り処と失ってしまったものの行方絵を探り”。
”ちょっとだけ素直じゃない幼馴染に、出不精な生活を世話されて”。
”学生寮の2階に住む、グウタラなお姉さんと、不思議な世界を旅してまわる”
そんな変わり映えのしない時間を過ごしていた、ある日のこと。
満月が丸々とオレンジ色に煌く、夜のこと。
……空から一人の少女が降ってきた。
「お願いします、魔法使いさん、どうか私を助けてください」
―――そうして動き出す、ぼくらの時間。
吹き抜ける風海風が頬を撫で……空から真っ白な羽根が降ってくる。
手と手を繋いで見上げた空に、ぼくらはまた恋することを、誓った―――
FAVIRRITE オフィシャルHP いろとりどりのセカイ 物語 より引用。 ただし、ルビなど一部変更有。
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考察と感想
※ここから先、ネタバレを含みます。未プレイの方はご注意ください。
ひとこと
「やさしくて、やわらかい、ゆったりとした、いろとりどりのセカイ」
これが私の感じた「いろとりどりのセカイ」でしょうか。
”思い出せない約束”が繋ぐ、やさしいやさしい物語。
この物語の時系列は
最果ての古書店にいる、「管理人」が恋を知りたい、と願い二階堂真紅のセカイから、「鹿野上悠馬」、「二階堂藍」の2人を呼ぶ。
藍は管理人と話し、藍は次の命の輪廻へ、管理人は真紅のセカイへ向かう。
管理人は鹿野上悠馬を名乗り、管理人としての記憶を忘れ、真紅のセカイへ。この時最果ての古書店は暴走し、真紅のセカイの人間は子供ばかりに。
真紅のセカイに残ったのは、真紅、鈴、管理人だけとなり、悠馬を名乗る管理人は記憶を思い出す。
鈴と2人、真紅の願い”みんなの夢をかなえる”をかなえるために鈴とともに管理人は真紅のセカイへ”いろとりどりのセカイ”を描く・・・。これによって真紅の本当のセカイは凍結される。
「鹿野上悠馬」は幼少時代、記憶が1日しか持たず、毎日「如月澪」に世話してもらっていた。
そんな悠馬は自身にしか見えない、魔法使い「二階堂真紅」とであう。
澪はあるとき、異世界の「如月澪(以降澪)」と入れ替わってしまうなど、「観波加奈」、「如月澪」、「敷島鏡」、「東峰つかさ」は何らかの事情を抱え、現在嵐山荘に集う。
嵐山荘には、管理人たる「霧島時雨」と魔女「夏目鈴」がおり、悠馬とともに”逃がし屋”をしている。
加奈、澪、鏡、つかさの願いをかなえた悠馬は、力の使い過ぎによって真紅の記憶を忘れ、1日しか記憶が持たなくなる。
そんな状況になってから1年後、鈴の助けもあり真紅を思い出し、恋を学ぶが、悠馬=管理人であることも思いだし、真紅の願いをかなえるとともに、贖罪のために恋愛をすることなく5年前(全員が量にいた時代)へと戻る。真紅のいないその時代へ…。
そうして”後悔したまま”生きることで、”最果ての古書店”へと戻る。
最果ての古書店で悠馬は真紅を想いながら管理人として仕事をする。本当の真紅のセカイへ人々を戻す。
偽物の”いろとりどりのセカイ”はなかったことになり、管理人の作った魂も古書店へ収まる。
”いろとりどりのセカイ”で次の輪廻を終えた藍に諭され、救われない真紅と、別のすでに終わった世界に新たにいろとりどりのセカイを作り上げ、真紅のセカイから真紅、鈴を持ってくる。
最初の真紅のセカイである、夢をかなえるためのセカイでは、大人たちによって子供の夢がかなえられる。
新たに描かれた”いろとりどりのセカイ”では、真紅のいない5年前へ戻ったことによって夢がかなっていなかった
加奈、澪、鏡、つかさたち、”いろとりどりのセカイ”の住人だった人たちの魂で世界を作り上げる。
管理人を藍と変わった管理人=悠馬もその世界へいき、真紅と恋をする……。
(斜体は偽物のセカイ=いろとりどりのセカイで起こったこと)
と、いうようになっています。
さて、この物語は何よりもメインヒロイン、「二階堂真紅」の為にある物語です。
若干の誇張はあるにせよ、真紅ルート前の加奈、澪、鏡、つかさは前座、舞台を整えるサブヒロインといっても言い過ぎではないと思います。
ここで、個別ルートについて、散見される意見があります。
真紅ルートうをプレイする前は確かに感じたことですが、
真紅ルートをプレイし終えた今は当然ではないの亜kと思っていることでもあります。
「個別ルートの出来がまちまちである」
その意見を集約するとこんな感じでしょうか。
確かに、ボリュームだけを見ても、真紅>加奈・澪>鏡・つかさといった感じでした。
内容もボリュームに違わずといった感じでしたし。
普通の作品ならば、確かに単純にこういった出来の差はあまりよくないことだろうとは思います。
が、あくまでこれら4人とのルートは古書店の管理人である、鹿野上悠馬(以降悠馬と表記する)と、魔女、夏目錫によって作られた、
”いろとりどりのセカイ”の中での出来事です。
ここで、この”いろとりどりのセカイ”を作った悠馬という人物は、古書店から恋を知るために真紅のもとへやってきました。
この悠馬が知っているのは、真紅、加奈、澪、あゆむと鈴の5人です。
つかさ、鏡については、灯台から落下した後に、真紅から語ってもらった内容をもとに日記に書き綴った人物ですから、、鏡とつかさに関しては伝聞のみの情報で描かれたヒロインです。
この情報量の差を的確に表して描いているのがサブヒロイン4名のルートである、と私は思います。
つまり、4人の物語はあくまで”いろとりどりのセカイ”で起こった、真紅の願いをかなえるための物語であること、に終始していたのだ、といえるのではないでしょうか。
多少のご都合主義であれ、ルートごとでキャラクターの性格が変わってしまったりするのも、
”いろとりどりのセカイ”の設定だから、で説明できてしまいます。
ここで、最初の主張、「二階堂真紅」のための物語であり、その他4人はサブヒロインといったことに戻ります。
「真紅のため」に作られた”いろとりどりのセカイで起こる出来事は、すべて悠馬の思う、「真紅の願いをかなえるため」に必要なこと。
それを作り上げたのは「真紅の願いをかなえたい」と思う、つかさと鏡の話を真紅から聞き、澪と加奈を失い、助けると約束した悠馬。
加奈、澪と鏡、つかさのルートの中身が同じなら、逆に伏線としての意味が薄れてしまうのではないか、と私は思うのです。
あくまで本筋の話である真紅のお話を中心に考えた場合です。
一個人の意見ですが、物語が単純だったりご都合だったりするのも、そういった意味合いがあるのでは、と考えています。
とはいえ、TRUEルートでは、恋愛はしていないことになっているので、どの世界でもな、こととなっていますが…。
あくまで4人のお話は、真紅と結ばれなかった”いろとりどりのセカイ”でのifの物語ということでしょう。
ここまでが考察、というかこの作品のまとめです。なんだかんだで長くなってしまいました。
ではここからは感想を・・・。
何より真紅がかわいい物語でした。
この作品中において、私は多くのメッセージは感じ取れました。世界の意義や、ヒトの存在についてなど、詳しくはそれぞれの感性や人生観などによって変わってくるとは思います。
あくまで真紅を中心に考えている”つもり”の悠馬と、セカイに翻弄される真紅ですが、その2人の恋愛がとてもよく描かれていました。自身の自覚していない想いについては主に、鈴さんが暗に指摘していました。この描写がとてもいい味と、物語に説得力を持たせていたように感じます。
逃がし屋であった鹿野上悠馬の最後の仕事、同じ逃がし屋であった夏目鈴の逃がし屋としての想い。真紅の悠馬への想い、それから藍の真紅への想い。すれ違ってしまった他者へのやさしさに心打たれる、そんな物語だったと思います。他のルートでも目に付いた、そんな他者へのやさしさ。そして鈴が願った、多くの人の幸せ。
ふんわりと包んでくれるような、柔らかい感触のする、やさしいやさしい物語。
グラフィックはこのやさいい物語にあった、とてもやわらかいもの。世界をよく表していて、物語の雰囲気をより強固なものにするのにとても役立ていたと思う。っ得に指摘するべき欠点は見当たらないですね。
音楽も同様その場その場にあった曲が数多く準備されており、曲を聞けば場面を思い出せるものがいくつもありますね。そんな印象深い曲が多い。個人的には「紅い瞳に映るセカイ」と「今、開かれる、トビラ」、「寂しく暗い森で」が特にお気に入りです。
さて、長くなってしまいましたが今日はこんなところで終了したいと思います。
プレイ終了後、疑問を感じて調べて、このブログで少しでも納得していただけたら、
ここは違うのではないのか、と自身の考察の手助けとなれば、
そして感想に少しでも私の感想に共感していただけたら嬉しいです。
とはいえ、作品の感じ方は人それぞれでしょうから、違った感想や、考察があったら書き込んでいただけると嬉しいです。
私もたくさんの人の意見が聞いてみたいと思っています。
それでは今日はこの言葉で。
「明日が、今日よりもずっと、楽しいことで溢れているようにと、祈ってるよ」