物語
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人はそれを求め、そして手を伸ばした――――。
この先にあるのは
人が触れてはいけないもの
禁断のシンセミア
「誰かを残して往くのは、どんな気持ちなんだろう……」
山に囲まれた風光明媚な御奈神村
天女の羽衣伝説が残る、大きな神社を中心としたのどかな場所だ。
大学生の皆神孝介は、夏休みを利用して母の故郷のこの村を訪れる。
きっかけは叔母から受けたアルバイトの話。
懐かしいこの村では少女たちとの出会いと再会が待っていた。
友人のような実の妹「皆神さくや」
疎遠になっていた従姉妹の少女「岩永翔子」
幼馴染の神社の巫女「春日いろは」
そして、村で出会った正体不明の女性「銀子」
懐かしい顔ぶれと、新たに知り合う少女たちの出会いを経て、孝介は少しずつ居場所を作っていく。
――しかし、孝介たちに襲い来る異変が、日常を壊していく。
山童(やまわろ)という、村に伝わる化け物の話。
生き物を変質させてしまうという神話の薬の正体。
そして、伝承に残る天女とは一体何なのか。
数々の事実の前に、彼らは決断を迫られることになる――。
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【シナリオ】
メインヒロインの4人(さくや・いろは・翔子・銀子)ルートで、
各ルートの補完をしながらも一つのシナリオとしてまとめ上げてあるのはすごい。
メインシナリオに引っ張られてしまいがちなほかのヒロインのルートを
上手く伏線として使用できていたのは高評価。
天女の羽衣伝説・山童の話など、伝承と事実の違いをメインに据えて、
民俗学の観点からシナリオを進めて行くのは感情移入しやすく、
何より論理の破たんがないというのが大きい。
銀子という謎の多い人物の話、過去から伝えられてきた物語などを
昔の本などの資料と照らし合わせたりしながら紐解いていく。
真実を突き止めたとき、二人はどうなるのか・・・?
そんなわくわく感がたまりません。
BADENDを含め、それぞれのルートで設定が補完される話も存在するので、
見ることをお勧めしたい。
設定の認識として似ているなと思ったのは
AUGUST 「FORTUNE ARTERIAL]
ですね。
まぁ吸血鬼とか出てきませんけどねww
攻略推奨順は
銀子・いろは→翔子→さくや
です。
サブキャラは本編には直接かかわってくることはありませんが、
先に攻略しておくことをお勧めします。
点数27/30点
【音楽】
安定してきれいな音楽。
曲数はBGM35曲。ボーカル曲が3曲とアレンジがあり、
それぞれ物語を進めていて違和感を感じることはなかった。
穏やかな感じの曲が多いが、そのためかそういった曲以外の
「華麗奔放」「羽織り」「誰の為に」
といった曲の印象が強い。
主題歌「夏のファンタジア」は、SOUNDモードで
1番、2番がそれぞれ独立して聞くことができる。
デモムービーの曲はED曲。
こちらもとてもきれいな曲です。
欲を言えばもう少し数がほしい。
点数19/20点。
【グラフィック】
十分か数のグラフィックが用意されていると思う。
メインヒロイン4人、サブヒロイン3(4)人で115枚
差分含まず(カットイン含む)なので、問題はない。
ただ、戦闘?など動きのあるシーンにもう少しCGを入れてくれるとよりよくなるのではないかと思う。
難しいのはわかるが、逆に主人公がかっこいいシーンであり、
顔を隠しているわけではないからできるのではないだろうか。
Hシーンは総じて半脱ぎ等が多い印象。
個人的には好きだが、どうなのだろうか・・・。
赤い画面は今作も健在。
この画面は作品的には問題ないと思う。
点数16/20点
【システム】
ワムソフトが制作しているフローチャート等文句のつけようがない。
前作と違い、本作のチャート番号に規則性があり、
かつそのシナリオの概要、左下のシーン再生に付箋機能など、
更に、1作目のフラグメントシステムまで復活させるという頑張りよう。
非常に快適にプレイできます。
一度読んだところを飛ばせるのは非常にありがたいです。
有効に使ってください。
点数20/20点
【キャラクター】
今作は前作までと違い男性キャラがまったくと言っていいほど出てきません。
それは残念なことではありますが、
それでも楽しいと思えるキャラクターの個性が出ていてよかったと思います。
さくやと孝介のやり取りや銀子さんの冗談など、
それぞれ笑いながら楽しくプレイできました。
誰が掛けても成り立たない物語であり、
また多いとシナリオが崩れてしまうだろうという
微妙なラインをうまくついているといえます。
一番のお気に入りはやはり孝介の妹の皆神さくや
実妹だからこその距離感と駆け引きがたまりません。
私に妹はいませんが…。
作中に出てくる兄(妹)だからこそこうして仲良くしていられる
という感じは、ほかのゲームでは味わえないものですね。
点数10/10点
【おすすめ度】
アップリケ3作目のこの作品は、純粋な伝記物といえるでしょう。
御奈神村に伝わる天女の羽衣伝説や山童の伝説。
古くから伝わる神社伝統の祭り。
プロローグで孝介が手に入れた青い石。
それと亡くなった母親から昔見せてもらった形の変わる青い鉱石のようなもの。
それをつなぐものはなんなのか。
それらを解き明かしていきます。
無事に謎を解き明かすことができるのか?
それはあなた次第です。
シナリオでも述べたが
主人公が20を超えた大学生であることから、
物語が非常に論理的であった。
感情論で解決、ということはせずに、合理性を持ったシナリオであるから
プレイし終わった後の不快感はない。
伝記の伝わっていない部分、それを探る面白さから主人公に感情移入しやすい作品であろう。
とてもおすすめの作品なので、ぜひプレイしていただきたい。
点数90/100点
【総合評価】
点数182/200点
文句なしの作品といってもいいだろう。
TrueENDのシンセミアなど、泣ける要素もふんだんに盛り込まれているし、
シナリオゲームを好む私にとっても印象に残るゲームとなった。
謎を解きながら進むというのは、主人公に感情移入しやすくていいと思う。
また、今まであまりいなかった「対等な」妹であるさくやなしにはこのゲームは語れない。
伝記物でありながら、リアリティを感じたのはそんなところからだろう。
点数の高くなる作品を中心にレビューしているため、私の出す値の平均が高いが、
特に甘いということはないと思う。
プレイした作品はそれなりにあるわけだから、余裕があれば数をたくさんあげていきたいと思う。
こんなところですかね。
何かわからないこと、聞きたいことがあったらコメント欄にお願いします。
気づき次第お答えさせていただきます。
内容について誰かと語れればうれしいと思います。
それでは本日はこの辺で。
では・・・・・・・・。